(「序章」続き)

 

お金に手足を縛られ続ける「不幸な人生」からの解放。

 

この一点の完遂を決意したは良いものの、
そのための具体的な方法論やノウハウは詳しく知っているわけではなかった。

 

やはり、就職以外で稼ぐとなると、

 

・店舗経営

・株式投資

・FXトレード

・ギャンブル

・宝くじ

 

といった手段などが挙げられると思うが、
これらには明らかなデメリットとして、

 

・店舗経営→在庫や従業員、立地や資金面などのリスク

・株式投資→株価の上昇&下降が100%運任せ

・FXトレード→為替変動、金利変動、レベレッジリスク

・ギャンブル→結局、最後は運ゲー

・宝くじ→完全なる運ゲー

 

このように若造ながら、上記の手法が一筋縄ではいかない事だけは知っていたから、
果たしてこれら以外の方法で稼げる方法はないかなぁと途方に暮れていた。

 

死ぬまでお金に不自由しない生活を達成する方法・・・

 

更なる個人的な理想を言えば、

 

・金銭的リスクが少ない

・確実性、再現性に長ける

・自宅で楽に自由に実践可能

 

こんなウマすぎる方法はないものかと夢見つつ、
情報収集という名目でネットサーフィンに明け暮れていたある時、
以下、非常に怪しい動画をYoutubeで発見する事になる。

 

 

「何だコイツ、チャラすぎだろwww」 というのは置いといて、
この人の言っている事には若干の胡散臭さを感じつつも、
ある種、筋の通ったマトモな意見にも聞こえた。

 

彼の言っている事を簡単に要約してみると、

お金を稼ぐという事は他者に何らかの価値を提供する事。

(ビジネス=価値と価値の交換)

 

その価値提供を効率的に行うためには「インターネット」が一番。

 

その理由としては、

 

・たった1つのブログ記事や動画などのコンテンツが何万回、何万人に自動閲覧される
(レバレッジの優位性)

・インターネット上には数え切れないほど莫大なユーザー、見込み客が存在する
(集客の優位性)

・先立つ資金ほぼゼロ、PC一台、たったの一人で利用可能
(利益率の優位性)

 

故に、「インターネットビジネス」はローリスク・ハイリターンの最強戦略

主にこれが彼の言わんとしている事だったが、
少なくとも、彼は明らかな嘘を言っているわけではないという事は理解できた。

 

まぁ、当時ガキだった私にとっては非常に魅力的な誘惑に感じたというのもあるが、
子供の頃から使っていた「インターネット」での体験を思い出してみれば、

 

・過去にゲームのフレンドを探そうと書き込んだ掲示板には多くの返事があった事

・ヤフオクでドラゴンボールのレアカードを売ろうとしたら一瞬で売れた事

・中学生の時、遊び半分で無料のアメブロやチャットなんかを楽しんでいた事

 

これらの実体験や、以下「インターネット」そのものの特性、

 

・24時間、不特定多数のユーザーが人、モノ、カネ、情報の取引をしている事

・人とのコミュニケーションに時間的、地理的な制約を一切被らない事

・インターネット自体の利用料金は無料であるという事

 

上記より、先程示したものは紛れもない事実だという事は感覚的にでも理解できた。

 

そして、何よりも特筆すべきなのは、
そのインターネットという媒体を「ビジネス」に活用している点だ。

 

「ビジネス」とは何らかのモノを売って、その対価としてお金を頂くといった、
「価値と価値の交換」という原理原則が基盤になっているから、

 

投資やギャンブルにあった「運」という要素を限りなく0に近いレベルで削れるため、
ビジネスには「1+1=2」という数式のような100%に近い再現性があると言っても良い。

 

確かな交換価値を持つ商品を欲する人間に売りさえすれば良いのだから、
そこに大きく「運」という要素が絡む事はないだろう。

 

更に、最大のネックであった資金リスクにおいても、
先に挙げた3つのインターネットによる圧倒的な優位性、

 

・たった1つのブログ記事や動画などのコンテンツが何万回、何万人に自動閲覧される
(レバレッジの優位性)

・インターネット上には数え切れないほど莫大なユーザー、見込み客が存在する
(集客の優位性)

・先立つ資金ほぼゼロ、PC一台、たったの一人で利用可能
(利益率の優位性)

 

上記、インターネットによる3つの恩恵から、
店舗経営における大きなデメリットの解消に成功している。

 

つまり、インターネットを用いたビジネス、
「ネットビジネス」には商売としての確かな再現性に加え、
リアルビジネスの3つの難点を補強した最強のお金稼ぎという事だ。

 

まさに一つの光明を見つけたかに見えた私は、
「ネットビジネス」の大きな魅力に胸を震わせた。

 

これなら念願の目的を達成できるかもしれない。

 

お金に束縛され続ける「不幸な人生」からの解放という夢が・・・。

 

イケる、イケるぞ!

 

自らの進むべき道を見出した私だったが、

 

急に昔からの疑り深い性格が顔を出したのか、
ここでいくつかの疑問が脳裏をよぎる。

 

ん?いや待てよ?

 

もし仮に、現実にそのような稼げる方法が存在するのであれば、
日本中、もっと多くの億万長者で溢れ返っていても良いのではないか?

 

何故、明らかにウマそうな手法がそこに転がっているのに、
多くの人々は就職や投資、ギャンブルという道に進むのか?

 

ただ知らないだけか?

 

いや、それこそインターネットが発達する情報化社会にしてはその数が多すぎる。

 

というか、何より私自身、
具体的で実践的な「ネットビジネス」の方法論が何も知れていないではないか。

 

何かまだ裏があるはずだ。

 

そして私は、更に「ネットビジネス」の深みにハマっていく事となる。

 

<第2章へ続く>